60年前にミッション系の中学に行っていた私は授業の前に全員礼拝堂に集まられて聖書の言葉と讃美歌を歌っていました。毎日、聞いた聖書の中でよく出てくるのが取税人とパリサイ人です。
新約聖書はイエス様の行動と言葉が主です。よく出て来るのでイエス様は取税人とパリサイ人がお嫌いなんだと思っていました。取税人とは税金を取り立てる職業の人です。
当時はローマ帝国が聖地エルサレムも支配したいたので当然税金を取り立てます。それをローマ人ではなく現地に取税人を置いて徴収させていました。不正をやっている取税人はローマ帝国に収めるよりも多くを取り立てて私腹を肥やしていました。
それで聖書の中では悪者で書かれています。最近、国税は社会問題になっています。日本で取税人は財務省・国税庁そして末端の税務署です。別に税務署は私腹は肥やしていませんが嫌われていることでは2000年前と同じです。イエス様も嫌っていたようです。
私が幼かった頃、私が生まれたのは武という集落でした。ここに昭和30年代半ばに1軒あった食料品店にサイレンというのが設置されました。ここで集落の会合や催し物の案内を区長さんが伝達します。集落中に聞こえる大きな音声です。
ある日突然、サイレンがなりました。何事だ?と幼い私も耳を澄ましました。すると区長さんの連絡は「皆さん、税務署の先生が今一貴山駅に降り、現在武に向かっています。戸別訪問をなさるので税務署の先生に相談の方々は書類を持ってお待ち下さい」です。
私は幼かったのでまともに聞いていましたが後日私が成長してから親父から聞いた話は「みんな当時は密造酒を作っていたのでその摘発のために税務署の職員が巡回していた。事前に集落中にサイレンで連絡して、さあ密造酒を隠せという合図だったのだ」と。
「やって来たら少し尋問されてあとはお座敷に上がってもらって密造酒ではない清酒?を振る舞うと上機嫌で飲んだ」と。へへへ田舎の百姓のとっつあん達もやるだ、税務署員も「うまい酒だこれは密造ではない」とにっこり笑って次の家の訪問に。
その頃から日本は奇跡と言われた高度成長に入ります。そして今。あの当時の田舎のとっつあんも職員もいなくなりました。そして現在日本は建国以来の不振のどん底にあります。
2025年04月27日
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