昨日はひなたMBAフードビジネス部門人材育成プログラムチャレンジコースのHACCP実践編でした。受講者の中から手を挙げた2社を専門家の講師が出かけて実際のHACCPに則った会社経営について教えました。
先生の吉田雄司氏は15年前頃から知遇があります。私が講師を務めていた宮城県産業振興センター主催の「食と農起業塾」の受講者でした。当時、仙台市の病院グループの事務局の幹部でした。これからその病院グループの給食施設を統合してHACCPに則った給食センターを建設するということでした。
5年前に連絡が来て完成したので「見に来い」ということで伺いました。話で聞くHACCPシステムが実際稼働している施設を見るのは初めてでした。百聞は一見に如かずと納得しました。
その後は給食施設建設コンサル業に転じていました。先月、4年前から行っていた大プロジェクトが完成して稼働し始めたと言っていました。秋田県北部のある市の社会福祉法人グループには1000名の障碍者が入居しており、100名〜300名入居者規模の施設が数施設あります。
それぞれ各施設に調理人がおり、365日3食を作って入居者に提供しています。それを1つにまとめてHACCP方式の給食センターを建設するプロジェクトを請け負っていました。先月に完成したそうです。
給食施設は設備はコンベクションオーブンと冷蔵庫があればそれで可能といいます。設備ではなく、その設備を動かす人創りが大切だといいます。お互いが知恵を出し合う風土をどうやって根付かせるかがポイントだそうです。働いている人がいいことを提案したり、実行すると必ず誉めることが大切だと言います。
その吉田さんに宮崎まで来てもらい、市場の中にある精肉業を指導してもらいました。この会社は2年ほど前から精肉加工に力を入れ始め、ローストビーフ製造をしています。市場内に専用加工場を作って製造しています。
吉田さんの指導・提案は全て具体的です。例えば加工場内のスプリンクラーの音がうるさい、これは製造スタッフの気を散らします。気圧を調整することから音楽を流すことまで具体的に提案します。また冷蔵品を製造するので加工場内が低温です。温かくて快適なスタッフ女子の服装まで提案します。
もう1件はカフェからの依頼でした。コロナ禍が起こり、国がテイクアウトを勧めるのでそれを実行しようとして保健所に相談に行ったら若い女子職員が出てきてテイクアウトするなら弁当専用加工場を作れ、スイーツをテイクアウトするなら菓子専用加工場を作らないとやってはいけないと指導され、それなら何もできないという悲鳴でした。
現場を知らない人の指導は多くの人を不幸にします。
2021年11月19日
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