昨日の宮崎県ひなたMBA(フードビジネス部門)人材育成コースチャレンジコースは14回シリーズの7回目の真ん中に差し掛かりました。今回は2日連続でテーマは「HACCP導入セミナー」です。昨日はセミナ方式の基礎編で今日は企業を訪問して実際にHACCPの指導を行う現地指導編です。
HACCPのセミナーは大体どこの主催でも受講者に不人気です。正直、机上の空論ばかりで話が製造現場と乖離している。たいての講師が「NASA宇宙局から始まった」から話を始めるのでそれで「うちとは関係ない」になってしまいます。
今回も既に受講者たちは他のセミナーでそれを体験したのか?3〜4割が欠席でした。私もやれやれと思いながらセミナーが始まりました。しかし、今回の講師は違った。非常にわかりやすかった。
私は過去HACCPをわかりやすく語れる人を2人しか知りません。1人は今日の現地指導編に登場する吉田雄次講師とその友人で宮城県保健所の衛生監視員だった阿部和男先生です。
吉田さんの紹介で阿部先生を知りました。今回の講師の奥山真智子先生も宮崎県保健所の衛生監視員だったそうです。衛生監視員は保健所に所属して、県内の食関係企業衛生指導を行いますが、一番重要な仕事は食中毒が起こらないようにする業務です。
食の現場に精通しています。奥山先生もそうです。訳のわからない横文字は使わない。相手は食品衛生について何も知らないレベルからわかりやすく説明してくれます。実際にNASA宇宙局の話は一切しませんでした。HACCPは英語の頭文字を取った名称ですがそれも一切しなかった。それでHACCPの極意をわかりやすく話してくれました。
現場に精通している人は難しい意味をわかりやすく説明できる人です。逆にどこかの大学教授は大したことないことをやたら学術用語や横文字で書き、しゃべります。
私が一番感銘を受けたのは衛生管理について学ぼうとする時はまず、自分が作っている商品の「製造説明書」を作成すること。次に「製造工程図」や「標準作業手順書」を明示したことです。
私の「食と農ビジネスの繁盛指南」の中にはこの3シートを記載してかつ書き方も詳しく書いています。私以外でこの3シートを明示したのは奥山先生だけです。ちなみに10年前に出版した私のこの本は何故だか最近また売れ出しました。
話も具体的でわかりやすかったです。HACCPは製品製造後の抜き打ち検査をして危害のある商品を排除するものではなく、危害が入らないような作り方をすることである。いわば予防である。その危害とは@生物的なもの食中毒菌のような細菌、A化学的なもの例えば残留農薬等、B物理的な物質、例えば硬くで食べられない硬質等である。
どうですか?わかり易いでしょう。これなら受けてみたくなるでしょう。昨日欠席した受講者は損をしました。
2021年11月18日
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