2021年10月14日

身の丈にあった年金プラス農業

ここ2日間の2軒の明日香村農業訪問で共通したのは生産者の2人に共通したのはJA出身であるということです。そしてさらなる共通点はJA定年退職後に農業をしているのとJAが主要作物にしている作物を生産していないことそしてJAに出荷していないことです。

JAは一般的にはかって米の統制経済を行っていた食糧庁の実行部隊でもありました。それから我が国が豊かになるにつれて農家→農協(JA)→市場→小売業(スーパー)・食品メーカー・外食店→生活者(消費者)の流れの大きな一翼を担っていました。

米がダブつき始めたのと裏腹に果樹・園芸作物(野菜)の需要が伸びてきました。その産地形成を担ったのもJAです。玉ねぎなどは北海道、淡路、長崎等季節で産地を変えながら年間供給できる産地分業が機能して安定した品質と価格での供給を可能にしました。

その後、トマトといちごの時代がやってきます。サラダ需要が伸びるとともにトマトの需要が増えました。また、クリスマスケーキから生食といちごの人気が高まりました。

新規就農でもこの2つの作物は全国的に振興されました。新規就農したトマト農家と昨夜、話しました。新規就農して8年になります。伸びたのはトマトを栽培する自分の腕(技術)、一方下落したのはトマトの販売単価。それにハウスで使用する重油代、肥料代、苗代は毎年上昇。販売単価が下落するので生産数量を増やしてもトータルの売上高は下落、経費は上昇、差し引き経営の悪化。

追い詰められている農家の自死も近くで2軒あったとのこと。自分は子供がいないのとアパート暮らしで住宅ローンがないので何とかその日暮らして生きていられるけど、教育費のかさむ年齢の子供がいる家庭はやりくり不可能。

それでもトマトといちごの栽培振興、産地振興、品種開発合戦は続く。その果ては何が待っているのか恐ろしくなる。この県のJAもついにトマト栽培での新規就農者育成を止めたそうです。

たくさん量が増えれば販売単価は下落します。ハウスのローンを抱えた中途半端な規模の農家は採算が合いません。人のことは言えません。当社も1年前まで銀座で外食店を経営していました。どんなに頑張っても高額家賃を回収する売上高にはならないことを知らされました。自前の土地と店舗だったら採算は取れますが。

自分の身の丈にあった農業経営とは?販売単価が下落しない作物とは?競争の少ない作物とは?自分と奥さんの2人が年金プラスで暮らせる農業経営とは?先祖代々の狭い農地を生かせる農業とは?中山間地域と山村地域にその答えがあるような気がします。

posted by tk at 07:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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