2021年10月13日

平地の農業はロボットが中山間地域は人間が

昨日は明日香村の「奥明日香」と呼ばれる山間地域に入りました。ここのところ中山間地域と呼ばれる山村地域や里山地域を訪問しているのは農水省の中山間地域所得確保推進事業を受託して行っているからです。

明日香村の市街地から奥明日香に向かう途中に「稲渕棚田」という景観のよい地域があります。面積は約20町部くらいあります。ここはオーナー制度を行っており、年会費1口4万円で80組がオーナーになっています。1区画100u単位で穫れなかった場合の収穫補償は30kgだそうです。年間4回NPO法人が栽培・収穫指導を行っています。
ここにも耕作放棄田があります。山の上の方は灌漑、治水が天水に頼らざるを得ないのでオーナー制度でも人気がなく、廃田となっています。こういった廃田を無くすために国は中山間地域直接支払い制度を設け、所有農家に1反歩21,000円の支払いをしています。それでも耕作放棄田が増えているのが実情です。

さらに山に進み、奥明日香に入りました。壬申の乱で後の天武天皇と持統天皇が大友皇子との戦いの難を逃れて吉野・熊野に逃げた古道が今でもあります。この道を通っていると鹿が2匹あどけない表情で道にいました。我々を見てすぐ逃げましたが。

奥明日香地域の棚田はすでに廃田になっています。そこに新しい作物でマコモダケを栽培している農家があります。害獣ネットが棚田区画4面に張られています。このマコモダケと一昨日訪ねた新生姜が当社が行っている明日香村中山村地域所得確保推進事業の対象作物になっています。

現在はマコモダケを栽培している農家は10軒程度あります。米と同じ時期に水田に株を植えて今が収穫期です。収穫期間が2週間程度で米と同じで短いです。米は乾燥して備蓄できますが、マコモダケは生を調理して食することが多く、この時期限定の食材です。

しかし、健康機能からも注目されており、粉末、液体にして健康食品で販売する加工も増えています。昨日見学したのは元水田です。水は張ってありますが、雑草も多く生えています。そんな環境でも育ちます。もちろん農薬と肥料は必要としません。中山間地域農家の所得確保にもってこいの作物です。

私も10年以上前から栽培農家からの情報を聞いていましたが、あまり関心がありませんでした。今年、これを焼肉店に持ち込んで野菜を焼くのと同じように焼いて食べたらその食感とクセのない味に魅了されました。これはおいしい。食物繊維も豊富でダイエットにも最適。

日本の農業政策は矛盾もたくさんあります。平場(平地)はスマート農業がもてはやされ、ドローンでの農薬散布等IT化が進んでいます。農家もマニュアル通りに管理すれば農産物もできます。農家は単なるオペレーターです。これが進むと農家はロボットでまかなえます。人間は要らなくなります。

中山間の狭い土地ではITで農業はできません。人間がやる農業です。まず何を栽培するか?から長年の技術と最新の知恵が必要です。機械も狭い農地には入りません。人力による農業です。

私は平地の農業はロボットがやり、中山間地域の農業は人間がやる農業と思います。


posted by tk at 08:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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