「消費者庁」と呼ぶ組織が作られるようですが生産者と消費者を対立の構図で見て消費者保護を考えているようでは食と農の問題は解決しません。問題のすり替えです。基本的には生産者の利害と消費者の利害は同じです。食と農の混迷は生産者・消費者共にマイナスになるしくみから起こっています。消費者のプラスになることは生産者のプラスになることであり消費者のマイナスになることは生産者もマイナスになることです。
なぜ消費者庁が必要かと言うと悪徳メーカーや偽装流通業者がいるからです。起きている事件をよく検証してみると農業者や漁業者の段階で行われているものはほとんどありません。(全くないとは言い切れませんが)むしろ暗黒大陸と言われる我が国の複雑な流通経路を経る段階で行われています。農水産業者から仕入れた入り口の流通業者から複雑な経路を経て消費者の手や口の入る出口の流通業者までの間で行われています。
今の食の問題の最大の原因は消費者でもなければ生産者でもなければましてや行政機関でもありません。かつ一般流通業者でもありません。諸悪の根源は巨大流通業者の存在です。さらに彼らに生殺与奪権を握られているあるいは彼らにすり寄っている納入業者です。巨大流通の前では誰も何も言えないのです。巨大流通業が我が物顔で食の世界を牛耳っておりそこには生産者やJAや市場や卸売や消費者の存在など眼中にないのです。ただただ買い叩いて自社が巨大化することだけが目的化しています。
よくメディアは食の問題で行政批判をしますがそれは本質を理解していません。今の行政は流通を支配するほど力もないし権限もありません。食の現場の情報すら持っていません。(ただし一部行政機関が巨大流通に荷担している例は全くないとは言いません)
消費者にとっての最大の不幸は巨大流通に食の世界が支配されていることです。農水産業者に矛先を向けるのは間違っています。消費者を保護するためにはよい食料を供給する農水産業者を買い叩かないで再生産できるように農水産業者を支援することです。消費者が安全な食を確保するためにはそれを生産する健全な農水産業者を育てなければなりません。農業や漁業で飯が食えるように経営が成り立つようにすることです。若者が働きたいと思う職業にすることです。そのためには消費者と農水産業者が手を結ばなければなりません。「農林水産省=消費者庁」の立脚点から行政を行うことです。
2008年07月22日
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