経営手法の1つに外部環境・内部資源をよく見て経営を行うというのがあります。内部資源はその企業の持つ無形、有形の実力・資産なので把握できます。しかし、外部環境はころころ変わります。そして内部資源と外部環境の経営に対する重要度・影響度はせいぜい内部資源は2、8は外部環境に影響します。
名経営者というのがいます。家電の松下幸之助さんやホンダやトヨタの飛躍期の創業者たち、またソニーの井深・盛田コンビ等です。傑出した才能の持ち主です。
でもその人達の立志伝を読んでも何も役に立たない。本人達は実力よりも運で成功しただけの話です。本人達は人間的な魅力に溢れ、才能もある人達ばかりですが、本人達が「うちの会社が伸びたのは俺の実力ではない、時代のおかげだ」と言っています。だから皆様、謙虚です。
戦後の消費時代の到来と共に白モノ家電や自家用車の時代が台頭する中での成功者です。自分の力で白モノ家電や自動車のマーケットを作ったのならそれこそ人類の歴史に残りますが、成長マーケットの中の製造・販売の勝者にしか過ぎません。
そう思うと今の自動車業界の再編成も各会社の社長達が悪いわけでもありません。その状況になる中でその役回りをしているだけのことです。
ネット長者、最近ではネットビジネス長者たちが凄まじい所得を得ています。何もそれらのコンテンツやビジネスを彼らが考えたわけではない。雨後の筍のように乱立の中から何かの幸運で生き残って、成長、拡大しただけです。実力というより宝くじに当たっただけです。
行政もそうです。日本の高度成長時代を作ったのは戦後の政治家ではありません。戦争の犠牲者の上に戦勝国に支配されてもたらされた成功です。総理もその時代の役回りのプレイヤーにしかすぎません。
そして今「働けど働けど稼げない」中で国民からさらに税金を取ろうったって無理です。真面目に働いている国民がお金を持っていないんだから。それからむしり取ればスト、デモどころか暴動が起こります。
みんなお金は欲しい中で、これ以上、真面目に働いて税金を払っている国民からさらに増税は無理です。国が破綻します。政治家も選挙民全てにええかっこしないで、税金の使い方のプライオリティをきちんと明示することが必要です。この国が票というお金・紙幣で動いているのが最大の悲劇です。