九州に行く(帰る)とスーパーに並んでいる農産物や加工食品に地域性があります。加工食品は大手食品メーカー、いわゆるナショナルブランドが主流であることは間違いありませんが、どっこい、生き残った食品メーカー品はしっかり並んでいます。
私の出身の福岡県福岡市にはマルタイラーメンがあります。工場は旧糸島地域にあるので糸島に帰る道路ではマルタイラーメン工場が目に入ります。「あ〜、糸島に帰って来た」という気持ちになります。
マルタイラーメンも日清チキンラーメンも即席ラーメンが昭和30年頃から始まり、全国で雨後のたけのこのように林立しました。最初は棒ラーメンでした。
その後、お湯をかけて3分待つカップ麺が登場しました。当然、粗悪品も多く、世界に冠たる大メーカーでも当時は工場周辺は揚げる油で臭かったと顔をしかめる人もいます。
我が故郷、糸島は当時はスーパーマーケットはなく、食料品・駄菓子店がありました。そこで即席ラーメンは高級なハイカラ商品で販売されていました。こんなにマーケットが伸長するとは思いませんでした。粗悪品メーカーが淘汰され、数社が全国ブランドで生き残りました。
福岡県はマルタイラーメン、熊本県はアベックラーメンの五木食品があります。両方とも今でも創業からの棒ラーメンを製造しています。福岡県と熊本県出身者では今でもその微妙な違いの好みがあります。
好みは「三つ子の魂百まで」です。こういった地元食品メーカーが長年のうちに地元の味として引き継がれているのは誇りです。たかが即席ラーメン、されど即席ラーメンです。
私は九州に出張し、少し時間があったらスーパーに行ってこう言った九州でしか販売していない、でも九州(というよりも各県)で愛されている商品を買ってきます。
即席麺ではないですが、私は「松浦漬け」や「玄海漬け」のような粕漬けが好きでこれも東京・関東にはないので九州(特に佐賀・福岡等)に行った時はまとめて買って来ます。そして帰京してもそれを優先して食べるのであっという間になくなります。
今回の出張でケンミン棒ビーフンもまとめて(と言っても3袋)買いました。これは神戸のケンミン食品の商品ですが、九州のスーパーにはたいてい置いてあります。東京のスーパーにも置いてあるのかも知れませんが、私の眼には入らないので九州に出張した時に買って来ます。
大手のTVスポットの嵐の中で、ゲリラ戦で販売して来たローカル食品メーカーにこれからも頑張って欲しいです。