2021年10月09日

畑にいたのは芸術家だった

IpadのGoodNotesを使うようになってノートを持ち歩かなくてよくなりました。これも当社のこれの達人の若いスタッフに教えてもらったためです。それでも一発でできるようにはなりません。

農業も一発でできるようにはなりません。何度も何度も試行錯誤です。昨日知人のお母さんの農園に連れて行ってもらいました。お母さんは当年とって77歳です。我々がお母さんの畑に向かっているとちょうどスカイブルー系のおしゃれなワゴンが現れました、しかも新車で。

運転しているのがお母さんでした。毎年、新車を買い替えるそうです。プレートナンバーも自分の誕生日にしたり、記念日にしたりして楽しんでいるそうです。

朝から畑に出てお昼を食べに帰ります。お昼は同居している知人の奥さんがつくります。それから1時間ほど午睡して再び午後の労働です。日が暮れない時間に帰宅して、夕食を食べて午後7時には熟睡だそうです。

お母さんは2.5反歩ほどの畑を借りています。元々知人の家は農家ではなく、両親ともサラリーマンでした。お母さんは音響メーカーの組み立て工場で50歳まで働き、それから退職してから家の近くの農家から農地を借り、野菜の栽培を始めます。最初は7畝(0.7反)を借りました。

四半世紀以上前の話です。試行錯誤、見よう見まねで始めます。自信が着くと少しずつ農地を広げて行きます。一時は年間80種類の野菜をつくっていたそうです。それでも今でも30〜40種類の野菜を植えています。

趣味かというとそうでもなく、退職後の所得を得るために始めました。当初は知り合いや友人に上げましたが、役場のイベントで東京に行って販売しているうちに馴染みの購入者や飲食店ができ、その要望で作付けと品目を増やします。

5年前に道の駅ができ、最近は道の駅集中です。お母さんの多品種少量・季節重視生産がぴったりマッチして、常に農産物売上高の上位です。

今の時期だと畑にはイタリアンパセリ、赤唐辛子、紅大根、紫大根、綿等希少性と差別化野菜が植えられています。27年かけて身に付けた自分独自の栽培法、最小限の農薬で無化学肥料栽培をしています。

道の駅でお母さんの乾燥ポップ(とうもろこし)を買いました。黄色一色とレインボーコーン(7色とうもろこし)の2種類を販売しています。大ヒット商品です。私はスタッフに食べさせようと思い、売り場に並んでいたのを1袋だけ残して、残りを全部買って来ました。

とうもろこしを乾燥させて、1粒、1粒、身をほぐして袋詰めする作業も並大抵のものではありません。道の駅に並んでいる野菜も洗浄、均一裁断、包装・袋詰め、パッケージシール貼り等手のかかる仕事があります。そしてから道の駅に登場します。

この農業が私の理想です。そこにいたのは農民ではなく、アーチストでした。農業はアートだと言ったのルソーでしたっけ?
posted by tk at 09:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする