2021年10月07日

功労者は毎日試食してくれた長男

昨日は宮崎県ひなたMBAフードビジネス部門人材育成プログラムチャレンジコースの第2回目でした。定員が20名で第1回目で20名を超えていましたがオンライン受講なので冷やかし、様子見もあるのだろうと思っていましたが昨日からリアルセミナーになりました。すると応募がまた増えて30名弱までなりました。

昨日のゲスト講師は川北製麺有田社長でした。「商品コンセプト・ブランディング構築」と題して1時間半内容の濃い講演をいただきました。この会社はグルテンフリーの麺を発売して、それが海外で火が点いて今も成長の好調の最中の会社です。

大阪出身で大阪で宮崎県の女性と知り合い、結婚して、その女性(奥様)の故郷串間市に戻り、家業の製麺所を手伝うようになりました。義父が社長でしたが、販売先は地元スーパーと飲食店。1袋20〜30円の麺(特に中華麺)を夜明け前から製造して、開店前のスーパーに納品。売っても売っても会社は赤字が続きます。

ある日、知り合いのお母さんから子供が小麦粉アレルギーで麺が食べられない、グルテンフリーの麺をつくって欲しいの依頼で米粉麺開発に着手しました。そこそこのものができてその母子には喜ばれました。

しかし、それを商品化して売ろうとすると買い手の評価は普通の麺に比べて「ぼそぼそして美味しくない」それなら小麦粉麺より美味しい、のどごしのよい麺をつくろうということでトライが始まります。

米粉麺は結構すぐできましたが、「美味しい米粉麺」の開発は思っていたよりも難しく2〜3年を要します。最初は試食につき合った従業員ももう試食疲れしたか、誰も食べなくなって来ました。

有田社長はそれでも試作して、毎日毎日試食します。誰に食べさせたか、長男です。長男はお父さんの試作した米粉麺は毎日、毎日食べ続けた。そしてある日、「お父さん今日のは違うよ」と言います。

そのレシピでつくったものを数年前から出展していたイベントで初登場させました。数名の臣下を引き連れた初老の紳士が偶然売り場で試食します。「米粉麺はぼそぼそしてうまくない」とつぶやきながら。その紳士が1口食べて「これはうまい、すぐ発注しなさい」

だれだかわからないまま去って行きました。しかし、首にかけた入場者名札が背中側に回っていたので見るとあの日本一の高級スーパーの社長だとわかりました。すぐ発注が来て「価格も量もお任せしますので納品してください」とのこと。

それからしばらくして別の話で輸出関連の話が来てこれも積極的に応じたら、香港の2週間のイベント分の数量を送ったらイベント開始から数時間後に「全部売り切れた。すぐ追加を送って欲しい」という電話。

快進撃は今も続いています。最後に私が「おたくのグルテンフリー麵の最大の功労者は誰でしょう?」と社長に問うたら社長はぽかんとしていました。

大手流通の社長でもない、輸出業者でもない。「親父の試作品を毎日毎日食べ続けてくれた長男ですよ」と言ったら社長の目が潤みました。その長男も高校3年生福岡で介護の仕事をするそうです。いずれの日かに戻ってくれたらいいですね、有田社長夫妻。
posted by tk at 07:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする