2021年10月31日

些細な気づき・開眼・上達が嬉しい

人とコミュニケーションしていることが多いようで実際は一人でいることの方が多いです。プライベートでも独り者だし、最近は猫のれいらんも娘のうちの住民になったので。仕事をしていても移動が多いので飛行機の中も、新幹線の中も一人です。

独りの時にいろいろ考えるのが好きです。自分なりの行動について。朝、起きて、トイレに行って、会社に行って、帰って来て、お風呂に入って眠るだけではないです。その間にいろいろ考えます。

朝、出勤する時に排出されたごみ袋をカラスが無心に漁っています。その隣で鳩も自分の好きなえさを探し回っています。私の存在さえ、気が付かないのか、それどころじゃないのか?無心にお互いのテリトリーを侵すことなく餌を探しています。カラスになりたい、鳩になりたい。

人間は自分の心の中の動揺に支配されます。それを感情というのでしょう。でも人間である限り、制御できる範囲内の感情はあった方がよいです。

また、忙しい時は多少のプレッシャーの感情も相手している暇がなく、押し流すことができます。暇だとどうでもよいことが気になる。だから仕事のある現役がよい。収入の問題ではない。

いろいろ考えると例えば昨日のお茶の淹れ方、茶葉の量よりもお湯の量。いろんなご意見をいただきましたが、例えばお湯の温度とか、正直大いに関係があります、熱いとお茶の味がしない。すべて関係するのでしょうが私はお湯の量加減で行きます。そのお湯の量がつまり自分にとっての最適「一服」なのでしょう。

最近、パンツの片足穿(は)きが自然にできるようになりました。玄関での靴の片足履(は)きも。どうして?最近わかったのは人間が立って行動している時、左右どちらかの軸足はピンと伸びているということです。支える片足をぴんと伸ばして立てば体はぐらつきません。ただし、その時の足先は正面を向いていること。これは空手に応用できるな。

そういえばダイエットも3ヶ月で4sの進捗。こんなことを考えていると楽しいです。仕事や会社の行先等を考えると心配と不安が次から次へと襲って来ます。多分、最適・最上の環境にいても不安は尽きないのでしょう。

余計なことを考えない環境・状況を自分で作ること。これが人生の達人です。一番いいのはギブアップしないことです。人生の究極的な敗北は自分で負けたと思った時です。戦う闘争心をなくした時です。

自分が負けと思わなければ負けではない。尽きない悩みは直面した時に悩めばよい。来てもいない難局にこっちからラブコールを送ることはないです。



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2021年10月30日

湯を減らしたら茶がおいしくなった

また、お茶の季節がやって来ました。夏は大手飲料メーカーのお茶もどきの清涼飲料水を飲みますが、この季節から自分の淹れたお茶を飲めます。

しかし、なぜおれが淹れたお茶はおいしくないのか?毎朝、そう思って淹れています。かって、年少の頃、お茶好きの祖母が淹れたお茶の相手をさせられていました。そのお茶の味が再現できません。

茶葉自体はそんなに低級なものを使ってはいません。私の昵懇としている全国のお茶農家の茶葉です。2〜3日前から突然、おいしくなりました。

なぜ??一服のお茶をおいしくするために私は茶葉の量を増やしていました。それを最近、急須に注ぐお湯の量を減らしました。茶葉を増やすのではなく、注ぐ湯を減らす。するとお茶がおいしくなりました。同じことだろう。違うんだな、これが。

なるほど。おととい昔の会社の上司を訪ねました。この会社の創業家の嫡男で5代目を襲名しています。70歳を超えた今、ものすごく元気で健康そのものです。

私が30年前、この方が40歳代の頃、側近の部下でした。当時、この創業家が成した世界規模の会社の社長候補として世間の眼に晒されていました。また、この頃この創業家を経営から奪おうとする勢力が凄まじい権力はく奪を仕掛けていました。根も葉もないでっち上げ風評も横行していました。

そしてこの方は本体のトップになることはなくして、現在創業家の資産管理会社の社長です。実に若々しく、会社を動かし、人材も育て、新しい事にも挑戦しています。精悍で、優しくて、思いやりのある元上司の魅力が溢れています。自分で会社を動かしているのがわかります。

「お前も元気だな」と言われました。39歳でこの会社を放逐されて、現在の会社を創業してもうすぐ30年です。経営は相変わらず厳しいですが、若手への転換もうまく行っています。コロナ禍後、おかげさまで仕事も増えています。それに伴う手持ち資金がないのが心配ですが。

要は自分で会社を動かせる規模の会社を経営するのが一番いいです。その元上司が「経営者の仕事は1.目標の設定、2.目標の戦略・行動への落し込み、3.そしてそれを実現するための組織づくり、その輪を常にぐるぐる回していくこと」と教えてくれました。

お湯の量を減らしたらお茶がおいしくなった理由ががわかりました。自分で加減する量がわかりました。そういえば「茶加減」と言いますね。


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2021年10月29日

鳥巣、うちで学んだ事は役に立っているか?

昨日はそれこそ退社以来、30年ぶりくらいに昔の会社を訪ねました。昔の上司に会社移転の挨拶状を出したら「うちの会社の近くじゃないか、訪ねて来い」とのこと。それで訪ねました。

その上司と言うのはこの会社の創業家5代目で創業者の名前を襲名しています。本社本館ビルと周辺にいくつか別館ビルがあるので元上司がどこにいるのかわからないので本館受付に行って襲名している創業者名を言ったら受付嬢がぽかんとして、私を訝しい眼でみます。

「君はこの会社の創業家の〇〇〇さんの名前を知らんのか?」と声を高めたら守衛かガードマンが飛んで来て、私を押さえつけるのかと思いきや、「ご案内申し上げます」と第何号別館まで案内してくれました。しかし、この受付はどこかの会社の代行サービスが入っているのでしょうが、この会社の顔に泥を塗っています。

久しぶりに会った上司は現在72〜73歳ですが、元気でした。現在は創業家の資産管理会社の社長です。3年前に当社が経営していたレストランを訪ねてくれましたが、2人だけで差しでじっくり話すのはそれこそ30年ぶりくらいです。

元上司は私が農業関係をやっているのに興味があり、当日も好物のにんにく(青森県東北町のエビサワ農園産)と岩手県野田村の山ぶどう赤ワインを持参したら大喜びでした(特別に用意したのでなく、たまたまその2か所からのいただきもの)。2〜3週間前に熊本市の村上浮子さんのそばかす美人の自然栽培みかんを送ったらそれもいたく感激させたようです。

私がこの会社に入社したのは「食品業界の大企業で安定しているから」ではなく、その逆で日本発のベンチャー企業だからです。トヨタやパナソニックの創業者は凄いけどビジネスモデル・商品はアメリカのまねです。この会社の代表商品はこの会社が世界初の商品です。

昨日の面会は2時間にも及び、話も盛り上がりました。2代目が創業して、3代目が世界にはばたかせた。そして元上司は5代目です。おじいちゃんである3代目の家で育てられたと言います。そのエピソードも活き活きと話してくれました。

そして「鳥巣、うちの会社で学んだことは今のお前の役に立っているか?」、「もちろんです。それで30年生き長らえました」、「よかった、嬉しい」

この元上司は私がクビになる時は既に上司ではありませんでしたが、当時の社長に直で「この処断は間違っている」と談判してくれたのはこの人だけです。

またその時の人事担当役員(以前は私の上司だったこともある人)も「この人事は会社に大きな汚点と禍根を残す」と言って反対していた話も昨日初めて聞きました。3年後にこの会社が飼っていた総会屋が逮捕され、世にいう「〇〇〇総会屋利益供与事件」が世に出ます。

「俺もお前と仕事をしていた頃が一番楽しかった、また来い。秘書を紹介するからいちいちアポなど取らなくてよい、いつでも来い」私のささやかな恩返しはまだ10年以上活躍できるこの元上司を私の食と農の世界に案内することです。
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2021年10月28日

仕事と労働・業務は違う

最近、経験の浅い当社スタッフが「仕事と労働・業務は違うんですね」と言い出しました。それを聞いて私は「このスタッフは一人前になったな」と思いました。

仕事と労働・業務は重なるところもありますが、基本的には違います。労働・業務は職場で就業時間内にします。それ以外は残業と言うことになり、給料とは別に労働に対する対価が発生します。

仕事は場所は関係ありません、飛行機の中でも新幹線の中でも、ごはんを食べている時も、趣味をやっている時もできます。起きている時間は場所と時間は問いません。いや、寝ている時もできます。

労働・業務は今の会社の利益のために行いますが、仕事はプラス会社の将来の利益のために行います。仕事は体も使いますが、主に頭を使います。

仕事をしている人は仕事は労働・業務だと思っている人から見ると「何であの人はこんなことをしているのだろう?」、「何でこんな発言や指示をするのだろう?」といぶかしく思われることも多いです。

仕事をしている人は今はもちろんですが、頭や眼が来年や5年先の中にいます。この程度の仕事で来年は経営を乗り切れるか?5年後の事業展開はどうなっているか?を常に考えてかつ行動します。だから今を労働・業務している人からは理解されないことが多いです。

「兵は詭道なり(戦争は騙し合いである)」です。スポーツもそうではないのでしょうか?事業も自分の手の内を事前に読まれてしまえば負けます。仕事も競争の中にいる限りはライバルに行動の手の内を読まれれば勝てません。仕事は来ません。

常に経営者は戦略なしでは会社は生き残れません。見せる部分と伏せておく部分、今の果実と5年後に得る果実等。だから仕事と労働・業務はイコールではありません。

仕事をする人、労働・業務をする人は会社には必要な人材です。困るのは仕事も労働・業務もしない人、大企業や役所に多いタイプです。じっと座っているだけで自分に労働・業務、責任が来ないようにブロックしている人。そのくせ、出世欲は強くて人の功績、実績を横取りする人。こんな人が中小企業にいると間違いなくその組織は潰れます。
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2021年10月27日

応援をよろしくお願い申し上げます

昨年の今頃はコロナ蔓延の危機の中、銀座のレストランエクセレントローカルがピンチに立ち、11月に閉店しました。それから1年、今度は東京都中央区八丁堀の当社本社内に食品加工室を開設しました。

元々、千葉県松戸市に食品加工室は持っていましたが、入っている建物が老朽化して、とてもHACCPに対応したものとは恥ずかしくて言えないレベルでした。

10年前頃に大家さんから空き家ばかりなので借りて欲しいとの要望で借りました。そのうちに2年毎の契約更改になんやかんや文句がついて家賃が吊り上がって来ました。そのうちに昨年の6月に1年後にここに物流センターを建設するので出て行くように言われました。

1年経ちましたしたが、誰も出て行っていません。コロナが蔓延して、その物流センター建設も暗礁に乗り上げているようです。出て行けといった大家さんは急に態度を変えましたが、こっちは出て行く準備をしているので予定通りに1年後に出ました。そして、新社屋移転と同時に食品加工場建設に入り、ようやく10月に完成しました。

みんなの喜びはひとしおです。レストラン撤退、松戸からの退出、新社屋に食品加工場建設は全部現社長の意向で行いましたが、この経営の意思決定は当社を大きく変えるでしょう。併せて鳥巣研二色の強い会社からの脱皮でもあります。

建設は私の知人の川原さんを社長に紹介したら、その通りに社長が川原さんにお願いしました。川原さんが施工の責任者をやってくれたのもよかった。素晴らしいものに出来上がっています。

撤退は攻撃よりも難しいです。戦国時代に最も優秀な武将は大将から殿(しんがり)軍を命ぜられます。秀吉の出世も信長の殿軍を務めてからです。

さて、この都会のビルの中の食品加工室ですが、そうざい製造業と菓子製造業さらに最近レトルト食品が増えたので新設された密封包装食品製造業も取得しました。東京都の保健所は千葉県もそうでしたが親切で前向きです。

この他に営業許可の要らない農産加工品(1次加工品)も製造できます。研究・商品開発スタッフの2人は喜んでいます。3階の我々スタッフルームから下りれば食品加工室なのですから。

来年、管理栄養士の免許も持った加工食品専攻の大学院卒の女子も新卒で入って来ます。また、社長がクラウドファンディング「CAMPFIRE」(https://camp-fire.jp/projects/view/491390?fbclid=IwAR3N8CErlsjH92MvVHmCKmE3_ji4U4vl-t5-V4Ms_dFrhne2zJKtz8f2Mr4)に手を挙げています。大いにみなさまの応援をよろしくお願い申し上げます。
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2021年10月26日

誠実とは真実を伝えること

この文章については誤解を招くという判断で削除しました。
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2021年10月25日

嫌なら来るなと言おう

トップの指示に従うというのは組織の鉄則です。組織というのはそれ自体がある目的のために行動しているので、構成メンバーはその組織に中で自分の役目を自覚して目的がうまく行くように責任を果たすことです。

しかし、この真っ当なことに対して、コロナ禍は世の中の仕組みを履き違えた人間も多く作り出しました。昨日、ずっと非常事態宣言で休業していたレストランが再開したので訪ねました。

3ヶ月間休んでいたと言っていました。その間、何をしていたの?と訪ねたら自分の料理を見直していましたとのこと。全ての料理の火入れ温度と時間を1℃ごとに変えながら料理の仕上がりを見ていたそうです。

ずいぶん未熟だったことに気づきましたとのこと。それは大いなる謙遜です。このシェフの料理を美味しい。そんな上達者でも自分の料理のさらなる上を研究しています。

そのお店にしばらくぶりにアポなしで行ったらそれでも入れてくれました。行った目的は久しぶりにシェフの料理を食べたかったのと現在仕事でやっている「スペルト小麦」のイタリア料理での使われ方を教授いただこうと思って。

シェフ一人とホールのバイトの子と2人でやっています。超忙しい中で私を調理カウンターの前に座らせて料理を作りながらスペルト小麦について教えてくれました。

ある二人連れの客がやって来て席に座りました。サーブがホールの子では間に合わなくなり、シェフが自らテーブルに持参したら、その客の女性の方がマスクをしていないと攻撃を始ました。

シェフはそれを詫びました。その二人はずっとマスクしたまま席についています。料理を口に運ぶ時、その都度マスクを耳の片方だけ外して口に放り込んでまたマスクします。その女性に支配されている相方の男もそれに従ってマスク片方外しの食べ方をしています。若者ならともかく40〜50歳代の人生の酸いも甘いもわかっているはずの世代が。興醒めです。

私はこの客の30分前から来店していました。その30分の間にシェフに5本以上の来店予約が入っていましたが、「コロナの状況でお店が密になるので」と丁重に断っていました。そのくらいコロナに気を遣っています。そのシェフに向かって。

私以外の他のお客様も大いに食べ大いにワインを飲んで楽しい食事をしているのに。この貧相な2人の行動が他の客も不愉快にしています。「郷に入らずんば郷に従え」そんなにコロナが嫌なら来店しなければいい。うちにこもってカップ麺でも食べていればよい。

ましてやこのレストランのトップであるシェフの行動にクレームをつけるなんて。セミナーでもアンケートに講師と受講者との距離やマスクの位置がよくないとか書く受講者がいます。

嬉しかったのはこのシェフがその後もマスクをしないで調理をしていたことです。「嫌なら来るな」という強い意思です。このシェフの作る料理は美味しいですよ。
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2021年10月24日

糸島の人間は糸島を殊更強調しない

現在、糸島市にある農事組合法人の仕事で赤米・黒米による中山間地域の農業所得を上げる事業をやっています。赤米・黒米の加工品を開発するということでかるかん饅頭を開発しています。その評価を二丈夕市秋の感謝祭でアンケート調査をしました。

この二丈夕市に来る度に来店者の年齢は高齢化していますが、30年以上も続いているのは週1回行われるこの夕市の固定的なファンがいるということです。以前に比べて孫連れのお客様が増えています。

糸島ブームです。糸島半島の糸島市と福岡市の市境を跨いで九州大学伊都キャンパスができ、医学部を除き、本格的に移転しました。その地は元は田んぼと畑です。そこに忽然と九大が出現しました。九大自体はもとよりそこに新しいビジネスチャンスが生まれ、住む人が増えています。

この新開地はどんな都市になるのか、楽しみです。九大伊都キャンパスはJR筑肥線からは遠く、バス運行は増えていますが、通学・通勤には大変不便な地域にあります。

その分、ここに住む人が増えるのは明らかです。その関連生活産業も大きな経済的な期待が持たれます。学園都市なのでアカデミックな研究機関や関連民間企業の進出も旺盛です。

糸島市街地もその恩恵は多く、移住者や新住民が増えています。それを糸島ブームなのでローカルテレビが特集を組み、放映します。見ていると東京等都市に住んでいて、大企業に勤めていた人が自然に恵まれてかつ都市機能を持つ糸島で起業している人が登場します。

大手企業のエリートサラリーマンの世界を捨てて糸島での田舎暮らしを始めた、あるいは会社の役員をやっていた人が移住して糸島で新生活を始めた等転身のシナリオばかりです。いわば糸島(田舎)を見下した上から目線の見方であり、都会でものにならなかった人間の逃避の物語です。

糸島には糸島のネイティブがいるのを忘れています。昨日は私の高校の同級生が引き継いで小さな旅館を経営している旅館に宿泊しました。同級生は小さな旅館で一組しか宿泊客を取りませんが、アットホームで心が和む経営をしています。

また、かって糸島一の高級料亭だったお店は和食料理のお店として営業しています。長い歴史を持っていますが現在は接待から個人やグループ客相手の和食店として生まれ変わり、若女将がお店を運営しています。取り立てて糸島産や糸島料理を強調せず全国の銘酒を置き、全国の美味しい食材で和食料理を提供していますが大繁盛です。

糸島を強調している糸島新住民の新ビジネスと糸島で長い歴史を持ち経営しているお店の両方の魅力が融合する糸島になれば糸島も一流になれます。
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2021年10月23日

稲の生産を続けることは正しい

米の価格が暴落しています。1町歩〜2町歩程度の田んぼを有する農家は既に50年頃前から兼業農家になっています。サラリーマンになったり、自宅で建設土木業を始めたりして生きてきました。

それでも土日や仕事の合間に農業をして田んぼを守って来ました。そのW収入で子供も大学までやり、そして大学まで行った子供達には農業は継がせないとして農家も核家族になりました。じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃんによる3ちゃん農業です。

一家の大黒柱は給与所得や農業以外の事業収入が増えてくると段々と農作業から離れて行きます。しかし、それでも稲刈りは自分でやるということで短期間(土日等)に収穫ができるコンバイン等の共同使用を行う組合が集落単位で設立され、兼業農家が共同でコンバイン等を所有するようになります。

しかし、兼業農家はその稲刈り以外の農作業も億劫になると、稲刈りだけでなく、米作り全般の作業もやってほしいという農家の要望が増えます。それで稲刈り田おこし、苗づくり、代掻き(しろかき)、田植え、稲刈り、刈り取り、乾燥等の作業の農家の農作業全般を請け負う農事組合法人になります。

そして最近は小作人制度、つまり農事組合法人が耕す人のいない田んぼに利用権を設定して、田んぼそのものを管理するしくみが主になってきました。丸ごと委託です。それで受託者は地主(委託者)に一定の米かお金を支払う制度です。

耕す農家がいなくなった中でもこの米の価格暴落にどういう手を打つが農水省もJAも大変です。1つにはWCS(ホールクロップサイレージ)と呼ばれる家畜用の米作りがあります。

富裕国の台頭で食生活が肉の消費が増えると日本に畜産用の餌が入って来なくなる。家畜の餌も自国で生産するという発想です。現在、WCSの米を生産すると補助金で1反歩当たり8万円の収入を得ることができます。

人間が食べる米を生産すると1反歩12万円程度の収入です。これから生産資材のコストを引くと大体8万円程度の身入りです。どっちの用途の米を作るか?選択になります。また、国産の小麦や大豆の消費が旺盛になっており、その生産も考えられます。

また、国の交付金では田んぼの傾斜が急で1枚当たりの面積の狭いいわゆるハンディの多い中山間地域水田には中山間地域直接支払い制度があります。

さらに、田畑を食糧生産場所としてのみ見ないで洪水等災害防止機能、地下水をつくる機能、景観保持機能、癒し安らぎ機能、多様な生きもののすみかになる機能等と見る多面的機能支払い制度もあります。

こういった政策と照らし合いながら上手な農業経営ができないものか?
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2021年10月22日

腐るのがお菓子だよ

当社が移転して八丁堀の新社屋の1階と2階を食品加工場にします。食品加工で当社が一番必要な営業許可はそうざい製造業と最近新しく営業許可に加わった密封容器食品製造業です。いわゆるレトルト食品の製造許可です。

それに菓子製造業の許可があれば加工食品と菓子は製造できます。営業許可は取得できても製造技術がないと製造はできません。加工食品は当社にノウハウがありますが、菓子製造業はありません。

スイーツブームなのでお菓子の開発の依頼が当社にも多いです。プロが作るレベルは当社ではできません。そのためにはプロの菓子職人の指導を受けるしかありません。

そこで縁があって訪問したのが熊本県在住のパティスリーアイチローの松山さんです。当社が糸島市で行っている農水省事業で赤米・黒米のスイーツを商品開発していますがなかなかうまく行かないところがありました。

それで松山さんの指導を受けたら何なくクリアできました。そのお礼も兼ねて昨日訪問したら、昨日は赤米・黒米を入れて焼いたパンも食べさせてくれました。

以下は松山さんとの話です。修行時代にお師匠の口癖「腐るのがお菓子だよ」。要は食品添加物を使わない。だから松山さんの生クリームを使ったスイーツの賞味期限は1日です。

ベーキングパウダーだけは使用していますがもちろんアルミニウムフリーです。小麦粉は熊本産小麦で熊本県製粉会社の製造のもの、最近は地元の御船産小麦も積極的に使っています。

朝生(あさなま)と呼ばれる日持ちしない消費期限1日商品は人気です。みたらし団子、おはぎ、栗団子、金時まんじゅうです。これらは午前中のうちに売り切れてしまいます。

こういう商品は大手製パンメーカーの腐らないパンや和洋菓子とは全く異質のものです。大手が蔓延り、日本の加工食品の美味しさレベルがどんどん落ちています。

素材そのものが持つ味を消費者がわからなくなっています。消費者が食べている味は化学食品添加物や合成フレーバーの味です。日本がこれからどうなるのか?大手食品メーカーが日本人の体と味覚を壊しています。
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2021年10月21日

大企業がめんどくさくて嫌がることに挑戦

昨日もひなたMBAフードビジネス部門人材育成プログラムチャレンジコース4回目でした。私は14回コースですが私はファシリテーターとして全回登場です。昨日は加工実習2回目でレトルト商品とホットパック商品を実習しました。

レトルト商品は宮崎県の鶏肉を使用したチキンカレー、ホットパックは宮崎県の柑橘へべすポン酢です。このセミナーは定員が20名ですが、毎回増え、現在は30名近くが受講しています。30名の受講者を限られた時間で加工技術を教えるのは至難の技ですが当社開発担当者が2名と地元宮崎県フードアドバイザー3名の手を借りて行います。

それでも1回では無理なので2班に分かれます。その待機している1班に対して私が座学でしゃべります。昨日はレトルト商品とホットパック商品でしたが料理品とは違い、保存料を使用しないで一定期間、賞味期間を保有できる技術を教えることです。美味しさを保持したまま、いやむしろ増しながら菌(微生物)を死滅させる殺菌技術です。

でもこの技術を体得して商品を開発・製造しようとしても大企業と同じものを商品化したのでは販売力も知名度もない中小企業商品では売れません。どこに特長を出すかです。

その前にぶつかるのが包材ロットと製造キャパシティです。包材の発注ロットが大き過ぎて中小企業が発売計画している商品との噛み合わない、それに機械化を図ろうとすると1ロットの製造キャパが大き過ぎる機械ばかりでこれまた中小企業の製造単位に合わない。

最近はこの2つについては柔軟に対応する包材メーカーや機械メーカーが出現しているのでそういったリサーチも大事です。

そういったことを熱弁していたら、会場の隣の部屋で別のミーティングをしていたところまで聞こえたようでその人たちが会議後、私の話をのぞいて行きました。その中にごぼちで有名なデイリーマームの和田社長と長男の和田専務がいました。

お二人を招き入れたら最後まで私の話を聞いてくれました。最後に和田社長に少し話をしてもらいました。中小企業の商品開発のポイントは「大企業がめんどくさがること、嫌がることを実行することです」と明言しました。

ごぼちは同社が発売する前に大手15社が「ごぼうチップス」で商品開発し、発売していました。そこへの参入する時に「形状を手切りのごぼうの形」にしたことと「天然調味料だけで味付けし商品化した」ことだそうです。気が付いたら15社の全てが消え失せ、同社だけがオンリーワンで生き残っているそうです。
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2021年10月20日

現場で育てるのが一番早い

言い古された言葉にOJTとOff-JTがあります。前者は仕事を通して人材育成を図ること、後者は私のような外部コンサルタントを呼んで社内研修をすることです。後者でも中小企業は自前で研修をする予算がないので商工会等主催の研修会に参加することが多いです。

当社も社内勉強会を企画しますが、みんな忙しいと言って継続しません。当社のように全国にクライアントがあるとスタッフ全員が揃うのは月1度程度です。それに学んだ方がいいのはわかっていてもそれが今の業務に直結していないとなかなかスタッフも乗って来ません。

とは言っても若手の育成は急務です。私と社長以外はみんな若手です。高度な技術を要する研究開発のノウハウは私がかって在籍した会社の研究部、商品開発部にいた先輩達を定年後、当社スタッフとして在籍してもらい、若手を育ててもらいました。

若手と一緒に現場に行って育ててもらいました。現場に一緒に行くのが一番上達が早いです。いわゆるOJTです。そこで製造のノウハウや工業用レシピの作り方、殺菌方法等を教えてもらいました。

しかし、コンサル業務でも商品企画のようなマーケティング色彩の強い業務は私の専管事項であまり若手に伝授する機会がありませんでした。

一般的なマーケティング知識は教えられますが、感覚やひらめきを要する商品発想や、さらにはクライアントとのコミュニケーション、距離の置き方、分担等は感覚的やセンスの部分が大きく、なかなか教えようと思っても伝わるものではありません。

当社研究開発スタッフも70歳を超えましたが私もあと3年で70歳です。そこで今年度は私の業務は若手を引き連れて行き、徹底的に現場のOJTを行なっています。

私が現場に行き、課題を持ち帰って、スタッフに指示しても臨場感がなく責任感も湧きません、スタッフは答えに窮すると私に答えを求めてきます。

クライアントとの直接やりとりの場数が成長の源です。臨場感溢れる現場に連れて行き、担当者としてスタッフを紹介すると先方も次からスタッフに連絡をくれます。そうやってようやく現場担当者と当社スタッフのパイプができ始めました。

経営は決して余裕はありませんが、出張経費をケチって人材育成ができないよりも使うべきお金は使って若手を育てた方がクライアントの役に立つのではないか思っています。教育の場を現場に置いた方が成長が早いです。
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現場で育てるのが一番早い

言い古された言葉にOJTとOff-JTがあります。前者は仕事を通して人材育成を図ること、後者は私のような外部コンサルタントを呼んで社内研修をすることです。後者でも中小企業は自前で研修をする予算がないので商工会等主催の研修会に参加することが多いです。

当社も社内勉強会を企画しますが、みんな忙しいと言って継続しません。当社のように全国にクライアントがあるとスタッフ全員が揃うのは月1度程度です。それに学んだ方がいいのはわかっていてもそれが今の業務に直結していないとなかなかスタッフも乗って来ません。

とは言っても若手の育成は急務です。私と社長以外はみんな若手です。高度な技術を要する研究開発のノウハウは私がかって在籍した会社の研究部、商品開発部にいた先輩達を定年後、当社スタッフとして在籍してもらい、若手を育ててもらいました。

若手と一緒に現場に行って育ててもらいました。現場に一緒に行くのが一番上達が早いです。いわゆるOJTです。そこで製造のノウハウや工業用レシピの作り方、殺菌方法等を教えてもらいました。

しかし、コンサル業務でも商品企画のようなマーケティング色彩の強い業務は私の専管事項であまり若手に伝授する機会がありませんでした。

一般的なマーケティング知識は教えられますが、感覚やひらめきを要する商品発想や、さらにはクライアントとのコミュニケーション、距離の置き方、分担等は感覚的やセンスの部分が大きく、なかなか教えようと思っても伝わるものではありません。

当社研究開発スタッフも70歳を超えましたが私もあと3年で70歳です。そこで今年度は私の業務は若手を引き連れて行き、徹底的に現場のOJTを行なっています。

私が現場に行き、課題を持ち帰って、スタッフに指示しても臨場感がなく責任感も湧きません、スタッフは答えに窮すると私に答えを求めてきます。

クライアントとの直接やりとりの場数が成長の源です。臨場感溢れる現場に連れて行き、担当者としてスタッフを紹介すると先方も次からスタッフに連絡をくれます。そうやってようやく現場担当者と当社スタッフのパイプができ始めました。

経営は決して余裕はありませんが、出張経費をケチって人材育成ができないよりも使うべきお金は使って若手を育てた方がクライアントの役に立つのではないか思っています。教育の場を現場に置いた方が成長が早いです。
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2021年10月19日

人類を繫栄させたのは穀類

引っ越しして、自宅と会社の所要時間が徒歩で3分から7分に伸びました。たった4分ですが、往復で8分は距離が長くなったのを実感します。いいのは徒歩の距離が長くなったことです。

悪いのは東京にいる時はお昼は自宅でするのでいったんお昼時間は戻っていたのが超忙しい時はたった8分も惜しくてついつい会社で済ませます。

みんな近くの500円弁当を買います。500円弁当はコロナ最盛期は飲食店が閉鎖なのでずいぶん売れていました。店内調理はほとんどなく、埼玉当たりの弁当会社が11時半に搬入してお昼時間が売りさばくスタイルが多いです。

相変わらずおかずは冷凍食品だらけです。昔は副菜が冷凍食品でしたが最近はメインディッシュも冷凍食品です。例えば鮭の塩焼きやとんかつなどそうではないのでしょうか?

私も仕方なく食べる時がありますが食べません。それぞれ1口箸を付けてゴミ袋です。何が嫌かというと冷凍食品を使用していることではなく、食品添加物まみれが嫌です。

一番おいしく食べられるのは炊飯していある白米です。米だけはどんな省力化の安弁当会社も今日炊いたものを入れています。その米が価格が暴落して、弁当会社は喜んでいるでしょう。農家は泣いていますが。弁当会社に勤めている農家のせがれは喜んでいるのか?悲しんでいるのか??

正直、500円弁当の中ではごはんが一番おいしいです。それに私の周りにある地方のお母さんたちがつくった梅干しやおかずみそを探して来てごはんと共に食べます。そうすれば惨めなお昼が少しは優雅な気分になります。

現在、各地域で新しい作物を栽培して、それを農家の所得向上に資する事業を展開しています。ある地域の新規作物は「スペルト小麦」です。

スペルト小麦?何物なのか、日本では知名度が低いです。そこで当社社長に知人でレストランで調理をしていた女子が5〜6年前にスイスに在住してスイスで料理の先生の仕事をしていると伺い、オンラインでつながってスペルト小麦について話を聞きました。

最初の言葉は「スイスでは一般的に普及している普通の小麦です」とのことです。白い小麦(フラワー)に対して、全粒粉の小麦をディンケル(ダンケル)と呼び、普通にスーパーで販売し、みんなよく使用していますとのこと。

白い小麦に対してディンケル(ダンケル)は別の品種なのかどうか?は次に調べてくれるそうです。

私の高校の後輩も子育て後、子供が独立したのをきっかけにスイスに渡り、スイスの人と結婚した女子がおり、彼女にもちらっと聞いたらそんなに特殊な小麦の意識はないとのこと。これでパンを焼いたらどうなるか?楽しみが増えました。

人類を長きに亘り、繫栄させたのは穀類ですね。


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2021年10月18日

的(ターゲット)外れのターゲット論

昨日のブログはネタがなくなり、自分が土日祭日も会社に来て仕事をしていると言ったことを書きました。つまらない話で誰も読まないだろうと思っていましたが、予想を裏切り、ブログもフェイスブックも「いいね」が多かったです。

なぜ?私と同じような境遇の経営者や仕事師が結構いてその人達が共感したようです。ブログも正義感あふれる世の中批判よりも意外にも共感を感じるネタの方が受けることと土日祭日の休みの日に会社に来て仕事している人が多いのを知りました。

マーケティングで「ターゲット」議論が相変わらず廃れません。「ターゲットは誰ですか?」と2〜3流コンサルの常套文句です。それを受講生が答えられないと叱責を受けます。

でもよく考えると人様がどんな境遇にいる等わかりません。こっちが勝手に思い込んでターゲットと言うのは笑止です。マーケティングの実務を知らない大学の先生などはこの過ちをする。

当社が引っ越しして、新社屋が私の住まいから今までの反対方向になりました。京橋インターの近くになりました。そこの四つ角に立ち食いそば屋があります。営業時間は午前0時〜午後2時までと書いてあります。

午前中やっているのを見たことがないので多分午前0時から午後7時頃までと正午前から午後2時まで営業しているのでしょう。私がそこを歩いて通るのは午前6時〜7時頃です。深夜のドライバー向けなのかな?

お店のそばの道が広い割には通行車が少なく、路上パーキングになっています。そこに午前6時〜7時頃、なぜか?いつも高級車が結構な台数横付けされています。クルマから降りた運転者がそこで立ち食いそば店に入ります。高級車の運転手はいわゆる経営者を連想させるいい身だしなみのスーツの紳士がほとんどです。しかし、女性の客は1回も見たことがありません。

高級車に乗る人が毎朝来る立ち食いそば屋とは?相当にうまいのだろうと想像していました。しかし、いっぺん入って見ようという気にはなりません。店内が汚いのとお店から出ているだしや汁ににおいをかぐとこのそばは味は?普通の立ち食いそば屋レベルだとわかります。

ということは「クルマにはお金をかけるが、食には関心のない人が来ているのだな」と推察できます。しかし、この店はいいか、悪いか?いいに決まっています。だから営業しています。

ターゲット論でこのお店を「高級車に乗る富裕層がわざわざ行く立ち食いそば屋」と断定するととんでもないことになります。ではなぜ来店するのだろう?深夜から早朝まで営業しているから。高速道路の入り口に立地し、脇に自由に駐車できる道幅があるからかな?

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2021年10月17日

外の仕事が月〜金、内が土日

今年は忙しいです。10年位前の「6次産業化」真っただ中以来の忙しさです。当時は自宅に帰る時間もありませんでした。1年で170〜180回くらい講演・セミナーをやっていました。ちょうど55歳の頃です。

あれから10年以上経ち、確かに歳を取ったことを痛感しますが、同時にまだ行けるとも思います。50歳代後半から10年経ってこのくらいの体力の消耗劣化ですから、あと10年経っても70代後半でもうまく体をメンテナンスすれば行けそうです。

常に引退を考えて行動してきました。39歳で起業した時はせめて子供が大学を出るまで60歳まで頑張ろうと思っていました。その後はあわよくば中小企業診断士の資格と経験を活かして行政の中小企業支援機関にアドバイザーで月に10日程度相談業務をやれば何とか老後も行けるかな?と思っていました。

そうならなかったのは中小企業診断士の「総花一人コンサル」から現在の食と農へ特化したからです。最初の本を書いたのが50歳の頃でそれから「食と農のコンサル」へと専門化して行きました。そして今になりました。

今も働いているのは引退すると食えなくなるのとコロナから会社が倒産するかも知れない危機に瀕したからです。あれから変わらなかったのはこのブログの毎日執筆です。よくも15年以上も続いているなと思います。

なぜ続いているか?ずっと現役で現場に行くので情報に事欠かないからです。多分、書けなくなった時が引退です。しかし、出張先だと現場の話題を書けますが土日東京にいる時は話題がないです。まさに今日です。こんな時はこんなたわいもない文章でお茶を濁しています。

あの時期から比べると酒の飲酒量が1/10くらいまで落ちています。おかげでγーgtが正常値になってしまいました。しかし、その酒量もさらに落ちそうです。毎晩、読みたい本を持ってふとんに入りますが、5分と持ちません。寝つきの酒よりも寝つきの本です。

1日は長いか?短いか?が議論になります。一般的に何もすることのない人は長いと言いますが、それも当たっていないです。何かやろうとした時に丸々、1日は何かをやるには十分な時間量です。腰を据えて1日を使えば結構な仕事ができます。

私のような職業は月〜金は出張や人と接することに時間が取られます。しかし、それをやりっぱなしとは行きません。まとめたり、社内で指示したりの業務もあります。それには土日祭日を使うしかありません。

スタッフへの指示も具体的にどうするかを文章にしたり、体系化してスタッフが動けるようにしなければなりません。それが土日の仕事です。外の仕事は月〜金、内の仕事が土日祭日です。これをサラリーマンはすべて月〜金でやっているのだから凄い。



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2021年10月16日

顧客のためは本心は自分のため

奈良県月ヶ瀬に仕事で行って、お昼の時間になりました。過疎地域なのでお昼を食べるところがありません。そこで県(府)境をまたいで京都府の道の駅に行きました。

温(ぬる)くて、おいしくなくて、価格ばかり高いうどんにがっかりし、挽回しようと物販コーナーで大福を買いました。裏を見たら我が国最大手のパンメーカーの商品でした。2度がっかりでした。

大手食品メーカーが地域の顔をして商品を道の駅で売ってはいけません。例えば、清涼飲料業界には中小企業が主に製造しているラムネ、シャンメリー等6アイテムは大企業は発売しないという不文律があります。

食品メーカーにはそういったお互いを尊重し合う暗黙のルールはありませんが、あんまり露骨でがっかりしました。正直、「ここまで堕ちたか〇〇パン」と思いました。

マーケティングの世界で我が物顔でのさばっている言葉に「消費者のため」というのがあります。あの演歌歌手が「お客様は神様です」と言ったのを履き違えて、あるいは都合よく解釈して使うメーカーや流通がいます。

ある地方県で会社を大きく育て、大企業幹部も海外企業も学びに来る会社の会長さんが次のように言っています。「暖簾を掛けて手作りされている個人店。同じ事を3軒から言われたら実行。某・大手パン屋さん、コンビニさん、何回言われても対応しない事があります。なぜなら要望が個店さんのように顧客の意見でなく、大量生産、大量販売という自分達の事情による要望だからです。」(ママ) 

まったく、至言です。大手企業は消費者のためではなく、自分の会社の都合のために納入業者や原料業者に無理強いしています。本当に消費者(生活者)・お客様のためならそれは社会的観点からも経営観点から見ても実行するべきです。自らが一時痛みを感じても。それを弱い者に押し付けるのはクズのやることです。

昨日は2つ素晴らしい商品に出会いました。「すっぴん梅 塩分0の梅ピュレ」原料は梅のみです。一切食品添加物を使用していません。それで賞味期限は1年です。なぜ?ここがこの会社のノウハウです。

もう1つは「烏梅(うばい)」です。紅花で赤く染める時の媒染財です。赤がきれいに染まり、かつ定着し、色落ちしない機能があります。明治時代は近隣集落を含めると400の業者がいたのが、今は化学染料と安価な酢に取って代わられ、製造しているのは訪問した会社だけす。

2つとも中小企業分野商品です。この2社の凄さをつぶさに見ました。でもうまく行きそうになるとまた大手が参入するのでしょう、大企業は情けなや、自分で考えろ。
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2021年10月15日

過疎地域集落は廃れ続けている

奈良県旧月ヶ瀬村に行きました。正式には奈良県奈良市月ヶ瀬です。梅の郷や月ヶ瀬温泉といったフレーズが多く見かけられるので梅と温泉の郷と頭に入ります。実際に訪問すると山村の産業が今でも生きている素晴らしい地域です。

法律で言うとこの月ヶ瀬地域は山村振興法が適用される「振興山村」です。中山間地域さらに山村に向かっている私にとっては願ってもない地域です。当社がここで5回のセミナーを実施し、特にこの地域の特産農産・林産物である梅、お茶、しいたけ等を使ったドレッシング実習も行います。

初めて訪問して「月ヶ瀬梅の資料館」に入ったらびっくり。まず、奈良晒(さらし)と呼ばれる織物の産地の紹介があります。これは私の勝手な想像ですが、古墳時代に貴族が来ている貫頭衣はこの麻の晒ではないか?を連想させます。明日香で見たまこもだけも古代は大麻と並ぶ大事な繊維として使われていたようです。

現在は奈良晒(さらし)保存会が活動して月1回の勉強会で原料の「青苧(あおそ)」と呼ばれる大麻を紡いで繊維にするところから始まります。この作業は「苧積み」といい、手作業ですが、この出来不出来が仕上がりに大きく影響するそうです。

また、梅の産地で烏梅(うばい)があります。これは紅花染めに欠かせない発光剤だそうです。明治時代になるとその役目に安価な酢が使われる様になり急激に廃れて行きます。しかし、1軒だけまだその烏梅を製造しているところがあります。

資料館に入ると販売コーナーがあります。奈良晒(さらし)は反物で一巻10万円の価格でした。それでも技術と人件費を考えると相当に安い気がします。

食品は梅干し、梅シロップ、お茶、しいたけ煮パック等が売られています。全国産地で売られている商品形態ですが、びっくりするのはその原料の梅やしいたけのグレードが高いのと価格が安いことです。東京だとこの3倍の価格で販売されています。

20年ほど前に小泉改革といって規制緩和・新自由主義の美名のもとに郵便局や農協潰しが始まりました。その後もアベノミクス等経済政策が打ち出されますが、この20年日本はずっと不況です。負け続けです。それ以前のバブル時代までの高度成長の蓄えで何とか持って来ましたがその貯金も底をつきました。いい思いをしたのは規制緩和された利権を独り占めにした一味だけです。

20年経ち、小泉改革の負が過疎の地域集落及び、山村や中山間地域を破壊しています。地域の農林資源である魅力的な農産・林産物も耕作する人がいません。このまま行けば完全に廃れます。地域集落にこういった産業を維持して発展させて地域に経済的な恩恵をもたらすような組織が必要です。
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2021年10月14日

身の丈にあった年金プラス農業

ここ2日間の2軒の明日香村農業訪問で共通したのは生産者の2人に共通したのはJA出身であるということです。そしてさらなる共通点はJA定年退職後に農業をしているのとJAが主要作物にしている作物を生産していないことそしてJAに出荷していないことです。

JAは一般的にはかって米の統制経済を行っていた食糧庁の実行部隊でもありました。それから我が国が豊かになるにつれて農家→農協(JA)→市場→小売業(スーパー)・食品メーカー・外食店→生活者(消費者)の流れの大きな一翼を担っていました。

米がダブつき始めたのと裏腹に果樹・園芸作物(野菜)の需要が伸びてきました。その産地形成を担ったのもJAです。玉ねぎなどは北海道、淡路、長崎等季節で産地を変えながら年間供給できる産地分業が機能して安定した品質と価格での供給を可能にしました。

その後、トマトといちごの時代がやってきます。サラダ需要が伸びるとともにトマトの需要が増えました。また、クリスマスケーキから生食といちごの人気が高まりました。

新規就農でもこの2つの作物は全国的に振興されました。新規就農したトマト農家と昨夜、話しました。新規就農して8年になります。伸びたのはトマトを栽培する自分の腕(技術)、一方下落したのはトマトの販売単価。それにハウスで使用する重油代、肥料代、苗代は毎年上昇。販売単価が下落するので生産数量を増やしてもトータルの売上高は下落、経費は上昇、差し引き経営の悪化。

追い詰められている農家の自死も近くで2軒あったとのこと。自分は子供がいないのとアパート暮らしで住宅ローンがないので何とかその日暮らして生きていられるけど、教育費のかさむ年齢の子供がいる家庭はやりくり不可能。

それでもトマトといちごの栽培振興、産地振興、品種開発合戦は続く。その果ては何が待っているのか恐ろしくなる。この県のJAもついにトマト栽培での新規就農者育成を止めたそうです。

たくさん量が増えれば販売単価は下落します。ハウスのローンを抱えた中途半端な規模の農家は採算が合いません。人のことは言えません。当社も1年前まで銀座で外食店を経営していました。どんなに頑張っても高額家賃を回収する売上高にはならないことを知らされました。自前の土地と店舗だったら採算は取れますが。

自分の身の丈にあった農業経営とは?販売単価が下落しない作物とは?競争の少ない作物とは?自分と奥さんの2人が年金プラスで暮らせる農業経営とは?先祖代々の狭い農地を生かせる農業とは?中山間地域と山村地域にその答えがあるような気がします。

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2021年10月13日

平地の農業はロボットが中山間地域は人間が

昨日は明日香村の「奥明日香」と呼ばれる山間地域に入りました。ここのところ中山間地域と呼ばれる山村地域や里山地域を訪問しているのは農水省の中山間地域所得確保推進事業を受託して行っているからです。

明日香村の市街地から奥明日香に向かう途中に「稲渕棚田」という景観のよい地域があります。面積は約20町部くらいあります。ここはオーナー制度を行っており、年会費1口4万円で80組がオーナーになっています。1区画100u単位で穫れなかった場合の収穫補償は30kgだそうです。年間4回NPO法人が栽培・収穫指導を行っています。
ここにも耕作放棄田があります。山の上の方は灌漑、治水が天水に頼らざるを得ないのでオーナー制度でも人気がなく、廃田となっています。こういった廃田を無くすために国は中山間地域直接支払い制度を設け、所有農家に1反歩21,000円の支払いをしています。それでも耕作放棄田が増えているのが実情です。

さらに山に進み、奥明日香に入りました。壬申の乱で後の天武天皇と持統天皇が大友皇子との戦いの難を逃れて吉野・熊野に逃げた古道が今でもあります。この道を通っていると鹿が2匹あどけない表情で道にいました。我々を見てすぐ逃げましたが。

奥明日香地域の棚田はすでに廃田になっています。そこに新しい作物でマコモダケを栽培している農家があります。害獣ネットが棚田区画4面に張られています。このマコモダケと一昨日訪ねた新生姜が当社が行っている明日香村中山村地域所得確保推進事業の対象作物になっています。

現在はマコモダケを栽培している農家は10軒程度あります。米と同じ時期に水田に株を植えて今が収穫期です。収穫期間が2週間程度で米と同じで短いです。米は乾燥して備蓄できますが、マコモダケは生を調理して食することが多く、この時期限定の食材です。

しかし、健康機能からも注目されており、粉末、液体にして健康食品で販売する加工も増えています。昨日見学したのは元水田です。水は張ってありますが、雑草も多く生えています。そんな環境でも育ちます。もちろん農薬と肥料は必要としません。中山間地域農家の所得確保にもってこいの作物です。

私も10年以上前から栽培農家からの情報を聞いていましたが、あまり関心がありませんでした。今年、これを焼肉店に持ち込んで野菜を焼くのと同じように焼いて食べたらその食感とクセのない味に魅了されました。これはおいしい。食物繊維も豊富でダイエットにも最適。

日本の農業政策は矛盾もたくさんあります。平場(平地)はスマート農業がもてはやされ、ドローンでの農薬散布等IT化が進んでいます。農家もマニュアル通りに管理すれば農産物もできます。農家は単なるオペレーターです。これが進むと農家はロボットでまかなえます。人間は要らなくなります。

中山間の狭い土地ではITで農業はできません。人間がやる農業です。まず何を栽培するか?から長年の技術と最新の知恵が必要です。機械も狭い農地には入りません。人力による農業です。

私は平地の農業はロボットがやり、中山間地域の農業は人間がやる農業と思います。


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