2021年07月15日

大きくならない身の丈に合った成長

日本のみならず世界的な潮流として教育の弊害はコメンテーターばかり生産していることです。実践者がいない。プレゼン社会、ええかっこしい社会。その象徴はパワホプレゼンとフェイスブックのようなコミュニケーションツールの発達です。日々の生活とは別のバーチャルの世界をみんな持つようになりました。

口ばかりのええかっこしいということでは当社もコンサル企業なのでその典型です。私はその業界に30年近くいます。明らかに言えることは中小・小規模ビジネス向けのコンサルの質が落ちているということです。

私は中小企業診断士の資格を有しています。取得した30年前は大した資格でもなかったですが、最近は「それ何?」と言われなくなったので社会的な認知が定着したのでしょう?

しかし、中小企業診断士の本来の業務である中小企業診断の能力は明らかに落ちています。なぜなら元気な中小企業、小規模事業者がなくなったからです。コンサルを育ててくれるのはクライアントである企業です。いわば対(つい)です。どっちかがこければもう1つもこけます。

大店法が廃止され、大型店舗の進出の規制がなくなり、大型店舗が林立しました。商店街は破壊され、ロードサイドの農地は農転かけて農業者は地主として地代をいただくようになりました。

あれから20年以上が経ちました。地域の破壊は進んでいます。進出して来た大型店舗は好調決算でしょうか?ヨーカドーもイオンも瀕死の状態(コロナの巣ごもり現象で一時的に息を吹き返しているけど)です。大型店舗の後は、コンビニが台頭しました。何ということはない地域の集落にあった村の小売店に取って代わっただけです。だれが幸せになったのでしょうか?

その提灯記事ばかり書いていた「商業界」という出版社は倒産しました。小規模小売業者や流通業者向けに経営を指南していた出版社が倒産するのですから皮肉なものです。

国は起業、起業と言います。もっと起業する者を増やさないと日本経済は元気にならないという論理です。では誰が起業するのでしょうか?若者?中身のないプレゼン資料づくりに長けている者が起業しても口と体裁ばかりですぐ馬脚を現します。

では定年退職後のシルバーの起業?特に大企業社員の定年後起業は悲惨です。大企業の下請け先・子会社・納入業者に仕事を割り振ることだけしかできない社員に仕事のノウハウがまったく蓄積されていません。仕事が来るとすぐ外注先を探し始めます。

当社が起業セミナーを企画する場合も講師の選定に窮します。ゼロからスタートする人を企業家に育てられるコンサルがいない。今まで平々凡々とサラリーマン人生を生きて来たから。

また、起業する人のあこがれはソフトバンク、楽天のような大企業です。なれるわけありません。「大きくならない成長」、「身の丈に合った経営」を教えてくれるコンサルがいなくなりました。私がコンサル業をなかなか引退できないのはそのせいです。

posted by tk at 07:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする