2021年05月15日

そこに農水産業があるかどうか?

地方自治体から特産品開発の仕事の依頼があります。この場合の特産品というのはたいていが一定期間の賞味期間があり、かつ流通可能な食品の場合が多いです。

食品加工技術とそれを製造する設備や機器が必要です。それ以前に原料があるかどうかが一番です。ということはそこに1次産業、農水産物があるかどうかです。ない地域で加工特産品開発をしても成果は上げられません。

あるいは伝統料理や地域料理でもよいです。そういったものを有している地域かどうか?が一番です。前者は農水産物ですから地方が有利です。後者の料理は歴史のある都市、特に商業都市にはそういった食文化があります。

工業都市は?これが一番難しい。川崎市、北九州市、四日市市で特産品開発を頼まれたらなかなかアイデアが浮かんで来ません。しかし、こういった工業都市はいろんな地域の出身地の人が多いです。その料理が工業都市の中で独自に変化・進化しています。それを特産品にするのも面白いです。

観光資源のマークやロゴや名称だけでは売れません。福岡県太宰府には梅ヶ枝餅という特産品があります。これは原料とは関係ありません。これに梅は使われていません。菅原道真の飛梅伝説に由来します。たぶん1,000年近くの歴史があります。観光資源で加工特産品を作ろうと思えばこのくらいの知名度と年月を必要とします。

信州そばは信州は米がとれずにそばを常食していたので特産品「信州そば」が売られています。大半は外国産のそばやそば粉を原料として、加工しているのは岩手県が多いです。

表示法の改正で原料の生産地、加工場所も明記することが必要になりました。長野県産そばを長野県で加工したものしか消費者が買わなくなりました。つまり今後は産地で採れた原料を産地で製造加工して販売するのが主流になります。

とすると農水産業の盛んな地域に立地している食品メーカーが有利になります。それがないなら今からでも遅くない、特産品開発よりも農業の振興、新規就農者の育成が必要になります。10年の計画で考えないといけません。

しかし、それが理解できない地方自治体は今流行りのスイーツを。そしておしゃれなパッケージで、ネーミングも可愛く、そうそう、女子高生や女子大生とコラボした特産品を。こんなことを平気で言っている担当者のいる地方自治体の仕事は断って方がよいです。

posted by tk at 07:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする