2021年05月10日

大切な人の為にしか命を投げ出さない

私の新刊の著者プロフィールに「福岡県糸島郡一貴山村の農家の長男に生まれる」と書きました。「福岡県糸島郡一貴山村」という地名はほぼ現在は死語です。しかし、「福岡県糸島郡一貴山村」というこの地名に最近出会い、ひっくり返るほどびっくりしました。

高校の同級生の女子がFBにアップしていた「蒼海に消ゆ」(角川文庫:門田将光著)の冒頭、主人公松藤大治の両親の出身地が「福岡県糸島郡一貴山村」と書いてあります。主人公の父親岩雄が福岡県糸島郡一貴山村の貧農に生まれて、同じ糸島郡怡土村ヨシノと結婚して、移住したサンクレメントで生まれたのが主人公大治と書いてあります。

アメリカに移住してアメリカとの戦況が悪化し始め、日本人排斥が盛んになった頃大治は一人両親の出身地糸島に戻り、糸中(現在の糸島高校:私の出身校)に進み、そこから東京商科大予科(一橋大学)に行き、学徒動員で海軍に入り、ゼロ戦のパイロットとなり、特攻隊員最終の沖縄戦で蒼海に散ります。

郷土の先輩にそんな凄い人がいたとは知りませんでした。生まれは大正10年だそうで、私の親父が大正15年生まれだったのでそんな遠い昔の人ではありません。親父が生きていれば「この人知っているか?」と聞きたくなる世代です。しかし、彼は敗戦の数週間前に最後の決戦で23歳で戦死しています。

当時の大日本帝国は日露戦争の勝利以来大軍事国家の道を歩きます。軍事エリートの育成も急務で陸軍士官学校、海軍兵学校ができます。やがて昭和になるとこの両軍事エリート校を出た将校たちが日本の軍事組織の中核を占めるようになります。

また陸軍も海軍も大産業・大組織になります。大企業と同じで職務の分化が進みます。起業もそうですが創業期は起業者が自らアイデアを考え、製造して、販売しますがやがて会社になると経営企画部門、スタッフ部門、研究開発部門、製造部門、営業部門と分化していきます。

海軍もそうで戦争末期の特攻隊は実際は志願になっていますが実は命令です。この最前線に配置されるのは海軍兵学校卒のエリートは意外と少なかった。多くは作戦課や地上指揮官や徴用担当等死亡率の少ない業務についています。最新情報を持っている軍エリートたちはこの戦争に負けるという情報も持っていたからでしょう。そしてこの生き残りの中が少なからず戦後は自衛隊の将に出世しているのだから笑止です。

しかし、この特攻に自らの部下を引き連れて、真っ先に敵船に突っ込んで行った海軍兵学校出身のエリート隊長もたくさんいます。彼らの年齢は20〜25歳前後です。この部隊の先頭を飛ぶ海軍兵学校出身宮武隊長に率いられた第一七生隊は果敢に見事に神風特攻を敢行し、隊員松藤大治も蒼海に散ります。

特攻を行った若者たちは国のため天皇陛下のためとは思っていません。陸軍・海軍に自分の栄達を求めた将軍たちのこともまったく尊敬しなかったと思います。

ただただ、母のこと妻のこと恋人のこと兄弟・姉妹を守ろうとして特攻したと思います。プラス隊長の人柄・魅力に心酔して運命を共にしたのだと思います。

さて、このコロナ騒ぎ、自分の保身と栄達と出世しか考えていない政治家や官僚や医師会幹部やオリパラの主催者の醜い者のために命を投げ出すでしょうか?みんな自分が守らなければならない者のためにしか命を投げ出さないのです。






posted by tk at 08:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする