2020年12月02日

後始末をすることは将来必ず役に立つ

イローカルのマネージャーが後片付けに余念がありません。銀座8丁目から2丁目まで備品等後始末品を台車で往復しています。多分、いろんな思いや思い出が去来する中を繰り返し、往復しているのだと思います。

その心中を思うと私も辛くなるけどこの経験は将来に活きます。ある日突然、会社を解雇された私は日曜日に誰もいない会社に入り、身の回りものを整理して廃棄したり、自分のものは持ち帰りました。あの殺伐とした光景は今でも覚えています。

解雇や閉鎖や倒産等の後片づけ、後始末をすることはいいことです。その屈辱は一生忘れません。また、それから1ヵ月後、津田沼に狭い1Kの仕事場を借りて、リサイクルショップから机やパイプ椅子を買って来て一人で運び入れた日のことも覚えています。

あらゆることが最期も最初も一人です。その経験は今後の生き方に必ずプラスになります。なにくそってね。大企業という大きな庇護の中にある人間は何もできません。それはその人達は大企業生活が終わってしみじみと悲哀を味わいます。

私の4冊目の本の初稿が出ました。知り合いの出版製作会社の社長が大変よくしてくれます。第1冊目も第2冊目もここから出版してくれます。どうしてここの社長が私によくしてくれるか?

ここの社長は昭和20年生まれです。お父さんは礼文島の住職のうちに生まれ、樺太に渡り、寺院を経営していました。終戦の混乱でお父さんは亡くなり、乳飲み子の時にお母さんに抱かれて命からがらお姉さんたちと引き上げてきたそうです。

それからお父さんを亡くした一家の悲哀が始まります。生計はお母さんとお姉さんたちが農家の農作業の手伝いをして糊口をしのぎます。やがて農業高校を出て市役所に就職します。その後は青雲の志を抱いて上京して今があります。

北海道と九州の違いはあるにしても農家の長男で幼くして母を亡くしている私とダブるそうです。私の食と農の本を損得考えずに出版を引き受けてくれるのは、「俺は鳥巣研二本を通して、農家・農業へのほんの恩返しをしているつもり」と言い切ります。今度の本もぜひ期待に沿えるよう最後の校正に入りました。

posted by tk at 06:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする