2020年05月10日

現在の食品業界の宿痾

以前にも書きましたが鉄腕ともてはやされて調子こいていた稲尾投手に豊田選手がわざとエラーして見せ「おい稲尾、野球は一人でやっているんじゃないぞ」と諫めたことを書きました。

食品流通もそうです。農家がつくった原料をメーカーが買って、加工して、包材メーカーから買った包材に入れて商品にして、流通に販売します。流通も卸と小売があり、小売は俗に言われる量販店とかスーパーです。それを消費者が購入します。チームプレーなのです。

農家もメーカーも包材メーカーも卸も小売も当然経営が成り立たなければなりません(野球なら年棒を)。それが現在は崩れてしまっています。流通が一人で野球をやっていると思っています。

例えば、メーカーが50円で出荷する商品をつくりました。これを卸、量販店ルートで販売すると小売価格は100円になります。消費者は100円で買うことになります。これはたいてい流通の慣習で卸は10%(小売価格に対して)、スーパーは40%(小売価格に対して)のマージンをもらうと決まっているからです。

メーカーが消費者に喜んでいただくために張り切って新商品を開発しました。原料は契約農家からこっちが望む農法で、味で、形状で栽培してもらいます。しかも購入時は異物混入チェックや温度管理を徹底して引き取ります。

製造時もなるべく味が手作りに近いように人を張り付けて調理技術を入れながら製造します。無人工場で機械がつくったものではない商品が完成しました。それにかかったコストが20円アップして通常品が50円のものが新しい発想で開発した新商品は70円になります。

これを持って商談に行くと小売価格はいつものマージン率で計算するので小売価格は140円になります。これだといくら何でも売れません。メーカーの開発段階では50円のものに対して20円の付加価値を付けで70円で出荷したものです。

当然、消費者の認知する値頃感もメーカーと同じように100円に対して20円アップの120円です。せいぜい、譲歩しても130円です。現状の売り場に並べるだけで自分は何もしないでちゃっかり20円高くいただいて140円にしているところに現在の流通の宿痾があります。

当然、売れないのでメーカーに圧力かけます。120円なら売れると。60円で出荷しろと圧力をかけます。当然メーカーは70円のものを60円で出荷すると赤字になります。大手流通のバイイングパワーに屈してよい商品が世に出て行けません。大手メーカーの価格訴求の質の悪い商品が売り場を占めます。

私ならメーカーの言う通りに70円で仕入れて自分では120円で売ります。自分のマージンを50円にします。

流通コストを削減するか、流通自体が%計算(掛け算・割り算)の値付けを止めて、額計算(足し算・割り算)つまりいくらの価値があるか?小売価格形成に変えない限り、食品業界がすべてダメになります。
posted by tk at 08:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

現在の食品業界の宿痾

以前にも書きましたが鉄腕ともてはやされて調子こいていた稲尾投手に豊田選手がわざとエラーして見せ「おい稲尾、野球は一人でやっているんじゃないぞ」と諫めたことを書きました。

食品流通もそうです。農家がつくった原料をメーカーが買って、加工して、包材メーカーから買った包材に入れて商品にして、流通に販売します。流通も卸と小売があり、小売は俗に言われる量販店とかスーパーです。それを消費者が購入します。チームプレーなのです。

農家もメーカーも包材メーカーも卸も小売も当然経営が成り立たなければなりません(野球なら年棒を)。それが現在は崩れてしまっています。流通が一人で野球をやっていると思っています。

例えば、メーカーが50円で出荷する商品をつくりました。これを卸、量販店ルートで販売すると小売価格は100円になります。消費者は100円で買うことになります。これはたいてい流通の慣習で卸は10%(小売価格に対して)、スーパーは40%(小売価格に対して)のマージンをもらうと決まっているからです。

メーカーが消費者に喜んでいただくために張り切って新商品を開発しました。原料は契約農家からこっちが望む農法で、味で、形状で栽培してもらいます。しかも購入時は異物混入チェックや温度管理を徹底して引き取ります。

製造時もなるべく味が手作りに近いように人を張り付けて調理技術を入れながら製造します。無人工場で機械がつくったものではない商品が完成しました。それにかかったコストが20円アップして通常品が50円のものが70円になります。

これを持って商談に行くと小売価格はいつものマージン率で計算するので小売価格は140円になります。これだといくら何でも売れません。メーカーの開発段階では50円のものに対して20円の付加価値を付けで70円で出荷したものです。

当然、消費者の認知する値頃感もメーカーと同じように100円に対して20円アップの120円です。現状の売り場に並べるだけで自分は何もしないでちゃっかり20円高くいただいて140円にしているところに現在の流通の宿痾があります。

当然、売れないのでメーカーに圧力かけます。120円なら売れると。60円で出荷しろと圧力をかけます。当然メーカーは70円のものを60円で出荷すると赤字になります。大手流通のバイイングパワーに屈してよい商品が世に出ていけない構図がここにあります。私ならメーカーの言う通りに70円で仕入れて自分では120円で売ります。自分のマージンを50円にします。

流通コストを削減するか、流通自体が%計算(掛け算・割り算)の値付けを止めて、額計算(足し算・割り算)つまりいくらの価値があるか?小売価格形成に変えない限り、食品業界がすべてダメになります。
posted by tk at 08:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする