2020年01月08日

大手メーカーの地域原料強調商品をどう見るか?

遠い遠い昔、味の素の社員だった頃、初対面の方に名刺交換すると相手の反応が3タイプいました。たいていは儀礼的な和やかな挨拶、もう1タイプはテレビでよく宣伝している食品業界トップ企業に対する尊敬の念、そして意外にもいるのが嫌な顔する人です。

嫌な顔する人はその会社が出している商品が売れて来たので、それを味の素がまねして新商品を発売した業界や会社の人はよく思っていませんでした。商品「味の素」は世界に冠たるオンリーワンの発明商品ですが、それ以降はモノマネばかり。「マネの素」を陰口を叩かれていました。

最近、それがふと頭をよぎりました。最近、大手食品会社が国産原料使用を強調表示した加工食品が増えています。それでも以前は国産とか「○○県産」程度でしたが、最近は「○○産にんにく使用」と地域名まで明記しています。この成果は農家のおかあさんの農産加工品に端を発し、当社のような企業が四半世紀かけて後押しして来た手法です。

大手ビール会社が始めた頃はまだ可愛かったです。広告代理店に「春夏秋冬」と「地域」をこじつけたコンセプトを作ってもらい、それで限定デザインで出していました。次に「どこどこ産ホップ使用」と書き始めた頃から「あら、あら」と思い始めました。

全国の地域特産品のアンテナショップが銀座にあります。人気があるのは北海道と沖縄です。沖縄のアンテナショップは私は以前からよく行くので棚に並んでいる商品もよくわかります。

最近、増えたのが東京本社の大手食品メーカーが「沖縄産」原料を銘打って販売している商品です。沖縄では製造されていません。アンテナショップは地域食品メーカーの披露の場所だし、その応援の意味もあるのに、大手食品メーカーの商品ばかり。情けない。

この傾向をどう見るか?地域色の強い加工食品が増えて来たことを喜ぶべきか?怒るべきか?まず、どこどこ産の原料使用と書いていますが、大手食品メーカーの地域加工食品1商品に占める使用量は微々たる量です。これでは農家のメリットは「ない」に等しいです。

私の見解、まず喜びましょう。中小や農家をバカにして来た大手メーカーが我々のマネをし始めました。大手の参入で地域加工食品の市場がある一定まで伸びます。

消費者(生活者)がやがて大手食品メーカーの「見せかけだけの小手先だけの子供だましの商品」に気付いたら、必ず本物の中級編、上級編の商品に向かいます。その時にあなたたちが作っている商品が陽の目を見ます。長年の苦労が報われます。
posted by tk at 08:25| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする